サークルガムラン
“ひだりまわり みぎまわり
ぐるぐる ぐるぐる
いったり きたり
おとのかいだんを
おりたり のぼったり
りずむをあわせて
てあしをのばして
みんなで おとを うちならそう”
144の鍵盤が一周に配置された、円環構造を回りながら音を奏でる創作楽器
仏塔の周りを時計回りに、参拝者が日の出から日没まで廻り続けるスワヤンブナートという寺院がネパールにありますが、始まりも終わりもない円環運動、そんなイメージを込め共鳴箱を倒立させ円周に配置しました。
誰でもリズムを合わせて演奏すればその場で共鳴できるよう、すべての鍵盤に叩き間違いがない設計になってます。
それぞれ異なるフォルムをした鍵盤は、工場から仕入れたバルクの金属板を手作業で削って複数の倍音を調律するという至難の制作でしたが、結果としてサステインの長い豊かな倍音の響きと、純正調律による共鳴現象との相性は最高で、叩いた音が響き合う魔法のように美しい響きを持った楽器が誕生したのではないか、と思っています。
米 このガムランには純正調律=ジャスト・イントネーションのチューニングが施されています。
- 純正律=ジャストイントネーションを説明する際に、カメラのフォーカスがピッタリあった状態と例えられたりもしますが、数学的に比率計算で定められたそれぞれの音の波長は、ピッタリ幾何学的な美しさで均衡を保っている様な状態と言えます。
- 結果として半ば強引にオクターブを12等分割した平均律では得られない、完全な共和状態による透明な響きを聞くことができます。
- 20世紀のアメリカンガムラン、ルーハリソンの仕事に大いに感銘を受け調律について学んだものを楽器の調律開発に活かしました。
Member
- 楽器考案・制作:une
- 木工制作:山本将史
- 金属制作:稲嶺鉄工作室
- 記録:中村寛史 / Franco Hidalgo